いつもの彼女は俺がオギョーギの悪いことをすると半分は説教くさく怒ってくる。でもシた後は今みたいに大抵ぴったりと俺の方にすり寄って足を絡めてくるのだ。好きなように絡んでくれればいい。めちゃくちゃエロくてかわいいから。
 俺の足に自分の足絡めるのってオギョーギが良いとは言えないんじゃね?
 頭の中で思っても口にはしない俺エライと思う。言うと意地になって足をまっすぐ伸ばしそうだから。やわらかくて同じ体温を逃すほど間抜けじゃない。戦ってる時だってシてる時だって目の前の相手の変化を見逃さないのが大事だ。

「なあなあ

 それに、こういう時の彼女は大抵俺のオネガイを聞いてくれる。名前を呼んで腰を撫でて、下腹部までゆっくり手を動かしていく。
 は絡ませた足を一瞬躊躇うように動かし、それから手の動きを止めることなく俺を抱きしめる。自分から触りに来ないけど触られても何も言わない。そうなればこっちのもんだ。
 理性がぐずぐずに崩れてすがるみたいに俺の名前を呼んでればいい。気づかないふりをして、オギョーギの悪さを棚に上げ、本当は俺とおんなじだって、音を上げてしまえばいい。

「なあに」

 今からオネガイされることへの警戒と期待の入り交じる甘ったるい声に、期待に揺れるようにもう一度動いた足の動きに、俺はバレないように口の端を持ち上げた。



(慎み深い彼女)