米屋陽介/WT
いつもの彼女は俺が行儀の悪いことをすると半分は説教くさく怒ってくる。でもシた後は大抵ぴったりと俺の方にすり寄って足を絡めてくる。お行儀が良いとは言えないんじゃね? そういうのはズルいと思うけど、言うと意地になって足をまっすぐ伸ばしそうだから言わない。好きなように絡んでくれればいい。
「なあなあ」
それに、そういう時の彼女は大抵俺のオネガイを聞いてくれる。絡ませた足を一瞬躊躇うように動かし、それから最後にいいよという合図で俺を抱きしめる。
理性がぐずぐずに崩れてだらしなく俺の名前を呼んでればいい。気づかないふりをして、オギョーギの悪さを棚に上げ、本当は俺とおんなじだって、音を上げてしまえばいい。
「なあに」
オネガイされることへの警戒と期待の入り交じる甘ったるい声と期待に揺れるように一瞬動いた足の動きに、俺はバレないように口の端を持ち上げた。